(Manyoshu 3280)

<妾>背兒者
雖待来不益
天原
振左氣見者
黒玉之
夜毛深去来
左夜深而
荒風乃吹者
立<待留>
吾袖尓 零雪者
凍渡奴
今更
公来座哉
左奈葛
後毛相得 名草武類
心乎持而
<二>袖持
床打拂
卯管庭
君尓波不相 夢谷
相跡所見社
天之足夜<乎>

Modern Japanese

我が背子は
待てど来まさず
天の原
振り放け見れば
ぬばたまの
夜も更けにけり
さ夜更けて
あらしの吹けば
立ち待てる
我が衣手に 降る雪は
凍りわたりぬ
今さらに
君来まさめや
さな葛
後も逢はむと 慰むる
心を持ちて
ま袖もち
床うち掃ひ
うつつには
君には逢はず 夢にだに
逢ふと見えこそ
天の足り夜を

Hiragana Pronounciation

わがせこは
まてどきまさず
あまのはら
ふりさけみれば
ぬばたまの
よもふけにけり
さよふけて
あらしのふけば
たちまてる
わがころもでに
ふるゆきは
こほりわたりぬ
いまさらに
きみきまさめや
さなかづら
のちもあはむと
なぐさむる
こころをもちて
まそでもち
とこうちはらひ
うつつには
きみにはあはず
いめにだに
あふとみえこそ
あめのたりよを

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