(天平勝寳七歳乙未二月相替遣筑紫諸國防人等歌)追痛防人悲別之心作歌一首[并短歌] (Manyoshu 4331)

天皇乃
等保能朝<廷>等
之良奴日
筑紫國波
安多麻毛流
於佐倍乃城曽等
聞食
四方國尓波
比等佐波尓
美知弖波安礼杼 登利我奈久
安豆麻乎能故波
伊田牟可比
加敝里見世受弖
伊佐美多流 多家吉軍卒等
祢疑多麻比
麻氣乃麻尓々々
多良知祢乃
波々我目可礼弖 若草能
都麻乎母麻可受
安良多麻能
月日餘美都々
安之我知流 難波能美津尓
大船尓
末加伊之自奴伎
安佐奈藝尓
可故等登能倍 由布思保尓
可知比伎乎里
安騰母比弖
許藝由久伎美波
奈美乃間乎 伊由伎佐具久美
麻佐吉久母
波夜久伊多里弖
大王乃
美許等能麻尓末 麻須良男乃
許己呂乎母知弖
安里米具<理>
事之乎波良<婆>
都々麻波受 可敝理伎麻勢登
伊波比倍乎
等許敝尓須恵弖
之路多倍能 蘇田遠利加敝之
奴婆多麻乃
久路加美之伎弖
奈我伎氣遠
麻知可母戀牟 波之伎都麻良波

Modern Japanese

大君の
遠の朝廷と
しらぬひ
筑紫の国は
敵守る
おさへの城ぞと
聞こし食す
四方の国には
人さはに
満ちてはあれど 鶏が鳴く
東男は
出で向ひ
かへり見せずて
勇みたる 猛き軍士と
ねぎたまひ
任けのまにまに
たらちねの
母が目離れて 若草の
妻をも巻かず
あらたまの
月日数みつつ
葦が散る 難波の御津に
大船に
ま櫂しじ貫き
朝なぎに
水手ととのへ 夕潮に
楫引き折り
率ひて
漕ぎ行く君は
波の間を い行きさぐくみ
ま幸くも
早く至りて
大君の
命のまにま 大夫の
心を持ちて
あり廻り
事し終らば
つつまはず 帰り来ませと
斎瓮を
床辺に据ゑて
白栲の 袖折り返し
ぬばたまの
黒髪敷きて
長き日を
待ちかも恋ひむ 愛しき妻らは

Hiragana Pronounciation

おほきみの
とほのみかどと
しらぬひ
つくしのくには
あたまもる
おさへのきぞと
きこしをす
よものくにには
ひとさはに
みちてはあれど
とりがなく
あづまをのこは
いでむかひ
かへりみせずて
いさみたる
たけきいくさと
ねぎたまひ
まけのまにまに
たらちねの
ははがめかれて
わかくさの
つまをもまかず
あらたまの
つきひよみつつ
あしがちる
なにはのみつに
おほぶねに
まかいしじぬき
あさなぎに
かこととのへ
ゆふしほに
かぢひきをり
あどもひて
こぎゆくきみは
なみのまを
いゆきさぐくみ
まさきくも
はやくいたりて
おほきみの
みことのまにま
ますらをの
こころをもちて
ありめぐり
ことしをはらば
つつまはず
かへりきませと
いはひへを
とこへにすゑて
しろたへの
そでをりかへし
ぬばたまの
くろかみしきて
ながきけを
まちかもこひむ
はしきつまらは

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