(Manyoshu 3276)

百不足
山田道乎
浪雲乃
愛妻跡
不語
別之来者
速川之
徃<文>不知
衣袂笶
反裳不知
馬自物
立而爪衝 為須部乃
田付乎白粉
物部乃
八十乃心S
天地二 念足橋
玉相者
君来益八跡
吾嗟
八尺之嗟
玉<桙>乃 道来人乃
立留
何常問者
答遣
田付乎不知 散釣相
君名日者
色出
人<可>知
足日木能 山従出
月待跡
人者云而
君待吾乎

Modern Japanese

百足らず
山田の道を
波雲の
愛し妻と
語らはず
別れし来れば
早川の
行きも知らず
衣手の
帰りも知らず
馬じもの
立ちてつまづき 為むすべの
たづきを知らに
もののふの
八十の心を
天地に 思ひ足らはし
魂合はば
君来ますやと
我が嘆く
八尺の嘆き
玉桙の 道来る人の
立ち留まり
いかにと問はば
答へ遣る
たづきを知らに さ丹つらふ
君が名言はば
色に出でて
人知りぬべみ
あしひきの 山より出づる
月待つと
人には言ひて
君待つ我れを

Hiragana Pronounciation

ももたらず
やまたのみちを
なみくもの
うつくしづまと
かたらはず
わかれしくれば
はやかはの
ゆきもしらず
ころもでの
かへりもしらず
うまじもの
たちてつまづき
せむすべの
たづきをしらに
もののふの
やそのこころを
あめつちに
おもひたらはし
たまあはば
きみきますやと
わがなげく
やさかのなげき
たまほこの
みちくるひとの
たちとまり
いかにととはば
こたへやる
たづきをしらに
さにつらふ
きみがないはば
いろにいでて
ひとしりぬべみ
あしひきの
やまよりいづる
つきまつと
ひとにはいひて
きみまつわれを

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