(Manyoshu 3302)

紀伊國之
室之江邊尓
千<年>尓
障事無
万世尓
如是将<在>登
大舟之
思恃而
出立之
清瀲尓
朝名寸二 来依深海松
夕難岐尓
来依縄法
深海松之
深目思子等遠 縄法之
引者絶登夜
散度人之
行之屯尓
鳴兒成 行取左具利
梓弓
弓腹振起
志乃岐羽矣
二手<狭> 離兼
人斯悔
戀思者

Modern Japanese

紀の国の
牟婁の江の辺に
千年に
障ることなく
万代に
かくしもあらむと
大船の
思ひ頼みて
出立の
清き渚に
朝なぎに 来寄る深海松
夕なぎに
来寄る縄海苔
深海松の
深めし子らを 縄海苔の
引けば絶ゆとや
里人の
行きの集ひに
泣く子なす 行き取り探り
梓弓
弓腹振り起し
しのぎ羽を
二つ手挟み 放ちけむ
人し悔しも
恋ふらく思へば

Hiragana Pronounciation

きのくにの
むろのえのへに
ちとせに
さはることなく
よろづよに
かくしもあらむと
おほぶねの
おもひたのみて
いでたちの
きよきなぎさに
あさなぎに
きよるふかみる
ゆふなぎに
きよるなはのり
ふかみるの
ふかめしこらを
なはのりの
ひけばたゆとや
さとびとの
ゆきのつどひに
なくこなす
ゆきとりさぐり
あづさゆみ
ゆばらふりおこし
しのぎはを
ふたつたばさみ
はなちけむ
ひとしくやしも
こふらくおもへば

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